レーダー照射事案~どちらにせよ日本は得をするかも~
平成最後の新年、明けましておめでとうございます。
昨年は一年間を通じて色々とネタに尽きない年だったと思います。それらの事象について様々な方がWebで、あるいはマスコミやジャーナルを通じて意見を発信されておりました。
私もなにかしたいなと漠然と思いながらそれを実行できずにいたのですが、正月三が日という何かを新たに始めるきっかけとなる一年で最初の最終期限を迎え、本ブログを立ち上げてみました。何を焦点としたブログなのかはまだ固まっていませんので、当初は内容の一貫性がないかとは思いますが何卒よろしくお願いいたします。
さて、その新年早々最初の投稿ですが、韓国がネタを提供してくれています。何かというと昨年末から盛り上がっている、韓国の駆逐艦「広開土大王」が自衛隊のP-1哨戒機に対して火器管制レーダーを照射した事実を我武者羅に否定しようと足掻いている件に関する以下の記事です。
一応、韓国の正当性を主張するための証拠を用意している模様ですね。
内容を抜粋すると、海自の哨戒機に火器管制レーダーを照射した韓国がその事実を認めず、逆に日本に謝罪を要求したという記事と、その証拠映像(哨戒機は映っていないらしいので、自衛隊の威嚇飛行の証明ではなくレーダー照射を否定するものと思われます)を準備中という記事です。
仲間内では半ば冗談で「韓国なら逆ギレして被害者振るかも」などと談笑していましたが、さすがに本当にやるとは思ってもみませんでした。
韓国としては何としてでも非を認めるわけにはいかないという事情(注釈)があるうえ、保身のために嘘をつくことに(相手が日本ならなおのこと)何の抵抗もない国民性ですので照射の事実は認めるわけがないとは思っておりましたが、さすがにいくら何でも罪のなすり付けは常識的に不可能だろうと考えていましたので。
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韓国の謝罪要求はいつもの難癖であり、準備中の映像もどうせ証拠にもならない代物だとは思います。しかし万が一、韓国の主張が事実として正しかった場合、実は私個人としては「韓国が過ちを認めて謝罪し関係者を処分する」という奇跡が起こる以上に嬉しかったりするのです。
何故か? いや、自衛隊もそれほど捨てたものではないなと認識を改めることができるからです。私の自衛隊に対する認識は「専守防衛」とかいう他国民には理解不能な概念に基づき、ただ存在するだけで戦うことができない軍隊もどきだというものでした。無論、災害派遣やPKO等では活躍していますし、存在自体がある程度の抑止力にはなっているとは思いますが、せっかくの軍事力を積極的に活用できていないなという印象でしたし。
それがどうでしょう。仮に韓国の主張通り、自衛隊機が韓国の軍艦に対して威嚇を行っていたとしたら… 自衛隊は(軍事的に)いざという時にも柔軟に対応できるんだと、くだらない規則や制約で雁字搦めにされていないんだという証左ではないでしょうか? それは「我が国の領域に近づいたら承知しないぞ」という脅しを平素から行っているということであり、その脅しを受けた他国は「自衛隊はれっきとした軍隊であり、日本國憲法第九条を額面通り受け取るのは危険だ。日本を侵略するのはそれほど容易ではない」と認識するでしょうし、戦争以外の外交においても軍事力(及びそれを行使するハードルの低さ)を誇示するということは自国の利益を実現するうえでの強力なジョーカーとなります。
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日本の主張が正しいのだと韓国以外の諸外国が認識するということは、国際社会における日本の信用を左右する非常に重要なことであることは言うまでもありません。しかし、逆に日本が韓国に対して意図的に軍事的脅威を感じさせたという事実を国際社会が認識したとしても、それは日本の(軍事力及びそれを行使する意思を背景とする)影響力を増大させる切欠になると思います。どちらに転んでも日本にとって何らかの得がある事案ですね(後者の場合、決定的な証拠こそないものの日本が大々的に嘘をついたと認識されるというコストは払うことになります)。もっとも、日本は軍隊を持たずに他国の脅威とならないという百害あって一利なしの状態からのスタートだからどっちに転んでもOKなのだという悲しい現実はあるのですが…
何れにせよ、興味の尽きない話題なので今後もしばらくはこの「レーダー照射事案」の続報を注視していきたいと思います。
(注釈)
韓国では被害者がその被害を受けた事件以外の全ての面において、加害者よりも道徳的に正しいという意味不明で愚かな考え方が一般的というのは有名な話ですが、この中央日報の記事では元駐日大使ですら「被害者は最後まで道徳的優先権を主張する」と当然のように語っています。https://s.japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=247682&servcode=a00§code=a10
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